お知らせ

2019年04月05日   電気新聞に掲載されます


2019年5月15日(水曜日)発刊

電気新聞東北地域版  Made in AOMORI ~ メード・イン・青森 ~へ

 ㈱今井産業の「e︲wood+」が掲載されます。

 

 

 

 

※以下掲載記事の内容 

 

 

 津軽平野の南端に位置する平川市。この地から生まれたある木材加工技術が全国から注目を集めている。

 「e︲wood+」と呼ばれるその技術は、板材の加工時に発生する端材を独自の技で連続して折り曲げ、波形のボードに整形するというもの。まるで木でできた段ボールのようなその新素材は柔らかく形状が柔軟に変化するという特長を持つ上、軽量で強度も兼ね備えている。同時にきれいに整った波形が持つ曲線美や、光を通すほどの薄さに由来する色の変化など、デザイン面でも高い性能を持つ。それらが高い評価を受け、昨年には特許庁長官賞を受賞した。

 このe︲wood+を使った新素材を開発したのが、今井産業だ。平川市を地盤に建築資材の加工・販売や住生活の提案などを行ってきた同社。「『売る』から『創って売る』」をビジョンに掲げており、e︲wood+もそのビジョンの下で生み出された。

 現在、同社では異業種の企業と提携しながらe︲wood+の商品化に取り組んでいる。パートナーとして提携した企業の業種は、生活小物やオフィス家具のメーカー、インテリア関連企業など幅広い。そうした提携の中からこれまでに照明器具や店舗什器、家具、インテリア雑貨といった多彩な商品が生まれた。提携の引き合いも多く、e︲wood+の用途はさらなる広がりを見せようとしている。

 もちろん、これまでの道のりは平たんではない。開発のきっかけは、同社社長の今井公文さんがある展示会で雑貨などの商品として販売されている段ボールを見た時だった。今井さんは「梱包材としか思っていなかった段ボールがしっかりと商品として販売されていることに衝撃を受けた」と当時の驚きを語る。

 ならば建築資材の販売・加工を行う上で大量に発生していた木材の端材を段ボール状に加工することができれば、端材を有効活用できると考えたところから開発は始まった。しかし、全くの手探りからのスタート。まずは木材を上手く折り曲げるために必要なデータの収集から始め、実験を繰り返した。その中で、これまでの木材の曲げ加工とは真逆の工程となる「水分を与えず、高熱で一瞬のうちに曲げる」という手法にたどり着いた。

 製造に成功した一方で、量産技術の確立も課題となった。しかし、秋田県の企業と協力し製造機の試作を重ねることで、これを克服。現在は製造ラインを構築するまでになった。さらに現在は、e︲wood+のさらなる進化を目指して、社員が日々オリジナル商品や新たな用途の開発に取り組んでいるという。

 近年の環境意識の高まりの下、端材を活用するe︲wood+への期待は大きい。さらに今井さんは「日本以上に環境意識の高い海外で、ビジネスチャンスは大きい」と強調する。その目が見据えるのは、国内だけでなく海外だ。そのために米国や欧州、中国などで特許を取得すると同時に、都内にe’wood+を専門で販売する会社も設立した。

 今まさに、平川の地から生まれた新素材が世界に飛び出そうとしている。



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